北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和63年6月、栗山町の長ネギ育苗床で4〜5pの苗が立ち枯れる被害が認められた。被害は苗の20〜30%に達した。育苗土からホウレンソウケナガコナダニ
Tyrophagujus putrescentiae が検出され、これによる被害が確認された。
平成元年3月、栗山町で2月上旬に播種したトマトの苗の葉の奇形が認められた。全体の被害は大きくなかったが、被害株は奇形となり生育が悪くなかった。育苗土からホウレンソウケナガコナダニ
Trophagus similis 、ゴミコナダニ Caloglyphus sp. 等が検出されたが、加害の主要種はホウレンソウケナガナコナダニであった。
平成2年3月、美唄市の育苗中のピーマンの葉が奇形になる被害が発生した。被害株の生育はかなり悪くなった。このハウスでは、保温資材としてモミガラを育苗床に使用していた。これからホウレンソウケナガコナダニ
Tyrophagus similis 、ケナガコナダニ Trophagus putrescentiae の2種が検出され、両種による被害と考えられた。
ホウレンソウケナガコナダニはこれまでにホウレンソウ、キュウリ、メロン、トウモロコシ、カボチャで発生・被害が確認され、ケナガコナダニはメロン、キュウリ、スイカで被害が認められている。