北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
平成元年、函館市において水耕栽培トマト(ミニキャロル)に発生したモザイク病株からキュウリモザイクウィルス−マメ科系統(CMV-L)が分離された。CMV−Lはトマト、キュウリなど多くの植物に寄生性を示すが、とくに他の系統が侵すことのできないマメ科植物も容易に伝染して被害を及ぼすので、今後の発生に注意する必要がある。
一方、平成2年、札幌市において遅植えの馬鈴しょ(男しゃく薯)に発生した淡黄色の斑紋と著しい萎縮症状を示す株からCMVの普通系統(CMV-O)が分離された。CMV−Oは既に道内に広く分布しているが、馬鈴しょに発生が認められた例はこれが最初である。なお、ウィルスの塊茎伝染の有無については、現在検討中である。