北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
最近、東京都、千葉県、埼玉県及び福島県でもポインセチアにタバココナジラミが多発生し、被害が問題となっている。道内においてもその発生が懸念されたことから、本年11月20日に札幌花き地方卸売市場及び広島町の施設栽培農家において調査した結果、両地点ともにポインセチアの葉の裏面にコナジラミの各態が多数寄生しているのが認められた。これを、横浜植物防疫所に同定依頼したところ、タバココナジラミ
Bemisia tabaci Gennadiusであることが確認された。
広島町の栽培農家によると、本種に類似するコナジラミは数年前から多発しており、農薬に対する抵抗力も強いなど生産性を著しく阻害しているとのことである。今後、道内での発生には十分注意するとともに、発生分布の拡大には警戒する必要がある。
なお、宮武(1980)によると、本種の寄生範囲は極めて広く、各地に普通に発生し、ダイズ、ナス、キク、サツマイモ、ハイビスカスなどでは時々大発生して、すす病の被害を与える。
また、最近では近畿地方に発生しているトマトの黄化萎縮病、タバコ巻葉病を媒介することが確認された本種による直接の加害だけでなく、ウィルスの媒介者としても極めて重要な害虫であることが認められている。