北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
本年8月に、宗谷管内中頓別町、網走管内置戸町、留萌管内天塩町のアルファルファを主とする採草地、合計約7haでガンマキンウワバ
Autographa gamma Linnaeus の幼虫が多発し、顕著な被害をもたらした。
置戸町の例では、モンキチョウと混発し、高密度のためか頭殻と体色は黒化していた。中頓別町では、特に花を好食されたとのことであったが、類似例として、昭和53年8月中旬にも浜頓別町でツメクサガと混発加害して、開花最盛期を把握できなかったことがある。
昭和60年には、紋別市の赤クローバー草地、訓子府町のアルファルファ草地で越冬幼虫が認められており、また、開花期には成虫の吸密行動も頻繁に見かけることから、マメ科牧草地では本種の重要な生息場所のひとつと考えられる。
ガンマンキンウワバは、東アジアでは北海道に偏在することが知られ、近年多発してきた種類で、昭和36年以前の成虫の捕獲記録はない。幼虫の食草は、昭和42年から道内各地で報告されており、コンフリーてん採、小豆、大豆、菜豆、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ニンジン、赤クローバーの作物が食害されることが判明している。