北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構

[平成元年度新発生病害虫]

レッドトップの冠さび病(新発生)

(1989年−平成元年)


 平成元年8月、北海道農試(札幌市)で試作中のレッドトップ(Agrostis olba L.)に冠さび病(Puccinia coronata Corda)の発生を認めた。夏胞子堆は橙黄色で葉の両面に生じ、表皮を破って裸出する。
 夏胞子は球形ないし亜球形で、大きさ15.0〜21.3×11.3〜17.5(平均17.5×15.4)μmである。10月上旬に寄生菌 Darluca film (Biv.-Bern.ex Fr.)Cast.が発生してさび病の勢いは衰えた。個体植えの6品種(各品種24個体)について罹病程度を比較すると高い順に Gosta.Listra.streeker.Kita.Zygma.市販品種の順であった。
 冬胞子堆は圃場では観察されなかったが、温室内で形成された。本病は1968年に南九州で発生が認められて以来、本州各地での報告があるが北海道での発生はなかった。道内では手稲山の土壌保全用緑地でも発生が認められた。


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