北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和58年7月上旬に、訓子府町の庭園のヒエンソウ(Delphinium spp)の花穂に、体色が黄緑色で、角状管は膨れ、尾片が黒い大型のアブラムシの寄生を見た。これは、本道のトリカブト類で既に記載されているアブラムシの一種
Delphiniobium yezoense MIYAZAKIであった。昭和63年7月後半には北見農試のハナトリカブトの頂葉などにも多発し、排泄液による汚染や、球汁による生育阻害がみられた。
なお、韓国およびソ連(アムール、沿海州)のトリカブト類には、橙黄色のD.hanla PAIKという種類が寄生すると言われる。本属の種はいずれも非移住性で、キンポウゲ科のAconitum、Delphiniumで周年を経過すると考えられる。