北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
昭和63年8月中旬頃から、訓子府町のそばの葉にガ類の食害痕が目立ち、9月上旬には葉脈だけとなった。食害は、6月中旬以降に播種したやや倒状の多い区に甚だしく、6月始め播種の区では軽微であった。
被害部の茎をゆするとイモムシが落下してきたが、淡緑色の中齢幼虫と濃褐色または黒色でビロウド光沢の終齢幼虫が混在していた。この幼虫および蛹を、以前、エゾノギシギシから得た幼虫の飼育記録や羽化標本などと照合した結果、ヒメシロテンアオヨトウ
Trachea melanospila KOLLARと同定された。
本種は年1化・蛹越冬で、道東では7月中に成虫が見られている。他にオオイタドリ、イシミカワ、ダイオウからも幼虫が得られているが、食草はすべてタデ科に属している。