平成11年度 病害虫発生予察情報 第5号

注意報第1号

平成11年6月 2日 北海道病害虫防除所

(連絡先:予察課 Tel.01238(9)2080(内)323

     Fax.01238(9)2082)


あぶらな科野菜のコナガ多発の恐れ
初期防除により効率的な防除を!

北海道ではコナガは野外で越冬できず、春季に周年的に発生している温暖な地域から飛来し、夏期(7〜8月)に最盛期となります。発生量が多くなるのは6月以降ですが、この頃の飛来量は年によって大きく変動します。
 防除所や各試験場のフェロモントラップによる誘殺数は、5月3半旬以降平年を大きく上回っており、最近の高温傾向は産卵活動に好適となっています。現在の気温では産卵後5日程度で卵がふ化し、キャベツなどのあぶらな科野菜に被害が出ると考えられます。
 コナガは周年発生するため、一般的に若令から老熟幼虫まで混在し、老熟幼虫ほど防除効果が劣ります。今の時期は発生初期に当たることから、若令幼虫を防除するには適期といえます。
 初期防除を的確に行うことにより防除回数を減らすなどの効率的な防除が可能となるので、幼虫の発生動向に注意し、初期のうちに防除しましょう。

  1. 発生地域   全道
  2. 発生量    多
  3. 注意報発令の根拠
    1. 5月3半旬以降、フェロモントラップによる誘殺数が平年より多い。
    2. 5月末からの高温傾向により、キャベツなどのあぶらな科作物に多数の産卵が認められ、長沼町では幼虫の発生が始まっている。
    3. コナガの発生予測システム(平成11年指導参考事項)では、数日以内に防除適期が予想される。
    コナガのフェロモントラップによる誘殺数の推移
     長沼町大野町芽室町
    本年平年本年平年本年平年
    5月3半旬10111561617
    4半旬151737252710
    5半旬13329102443422
    6半旬14732200577444
     
  4. 防除対策
    1. 初令幼虫は葉肉内に潜入、3〜4令幼虫と蛹の多くは葉裏に寄生しているので、散布むらがないように十分散布する。
    2. 年次、地域により抵抗性を示す薬剤の系統が異なるので、薬剤散布後の効果確認を行い、劣る場合は、他系統の薬剤に切り替える。
    3. 同一薬剤の連用は薬剤抵抗性が発現しやすいので避ける。
    4. これから定植をするほ場では、定植時に粒剤を施用する。粒剤施用の効果は20日程度である。



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